キングギア発起人金子達仁氏×ビンテージスパイクコレクター小西博昭氏「西ドイツ製PUMAスパイク」を語るvol.2
小西博昭氏が陳列したPUMAのスパイクたちを前に、歓喜に酔いしれる金子達仁氏。その姿を観た小西氏は嬉しくなり、少し安堵しているようであった。だが、長年サッカー界に深く携わる金子氏は、容赦なく質問攻めをする。小西氏は、どうやって切り返したのだろうか?
佐久間秀実
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2018/10/02
金子氏が次に手に取ったスパイクは当時のマラドーナシリーズ。キングギアでもこの復刻版に対して厳しい批評(http://king-gear.com/articles/123)もあり、小西氏は話のネタになればと持参した。
金子:これは買ったな、マラドーナモデル。高いわりには全然駄目なスパイクでしたけどね。
小西:私の本をインスタグラムで広めていただいた方がPUMAにお勤めで、その方にお礼をしたくて会いに行ってきました。(対談前日にプーマジャパンを訪問し、貴重なスパイクやカタログなどを見ました。http://king-gear.com/articles/719)
金子:ところで、これらのスパイクは、全く未使用ですよね?
小西:そうですね。昔の西ドイツ製モデルは高額だったので、売れ残っていたんだと思います。
金子:(次にプロフェッショナルを手にして、)あー、やっぱりこれだよなー!ベルトマイスターっぽいなー!
小西:ベルトマイスターは、つま先が2枚革で昔は横幅が狭かったんですよね。
金子:そうでしたよね。これラインがビニールですね。
小西:基本的に、この時代の西ドイツ製モデルのラインは革なんですが、年代によってビニールの場合もあるみたいです。
金子:これがビニールで衝撃を受けたんですよ。くーっ!はー!
(小西:そんな細かいことをチェックされるとは!さすが、リアルタイムで愛用していた方だ!)
金子:本を読ませていただいて、世界を見渡しても、これほどPUMAのスパイク好きな人は小西さんしかいないと思いましたね。まさか「自分以外にも変態がいた」という喜びがありますね。
小西:(「マニアック」と「変態」は、私にとって褒め言葉なので、)ありがとうございます。PUMAの情報はアディダスに比べ少ないですから、世界中を探し回るしかないなと思っています。
金子:東南アジアはどうなんですか?80年代に東南アジアの選手が1番PUMAを履いていた印象があるんですよね。
小西:仰る通りで、実は本にも少し書いていますが、これ(プロフェッショナル)とかこれ(キング)はマレーシアから来た物です。
金子:買うと幾らくらいですか?
小西:ピンからキリですね。手放す人の思い入れがあるようだと高く売ってますし、元の定価よりずっと安い場合もあります。
金子:赤PUMA!うー、わー!
小西:これは、すぐにソールの色が黄色に変わってしまいましたからね。これまで実物を目にしたことがなかったので、見つけた時は感慨深くなりました。
金子:当時、2色のソールをやっているのに驚きましたが、今思うとなんてことないですね。
小西:確かにそうですね(笑)。当時のデザインとしては、なかなかだと思います。
金子:僕はゴールキーパーなので、前傾姿勢が良いと思ってSPAケンペスを買ったんですよね。
小西:オレンジですよね。
金子:はい。
補足図3 初期のSPAシリーズ。右はその後、名前がSPAケンペスになったと言われている。
小西:昔の日本のグランドは土で硬かったので、ゴールキーパーは取り替え式を使う方が結構いましたけど、フィールドの選手はポイントの突き上げで足が痛くなりますから固定式ばかりでしたね。
金子:アルミのポイントは重いですから。こんなに削れやすいプラスチックのポイントを使えなかったですけどね。1試合で削れることもありましたから。
これぞ、PUMAだ!いやー、まさかこんなに沢山見られるとは! (次に70年代後期のキングを手にし、)うわー!そして、黒ベロ、白1色ソールのキング。あの頃は白ベロがカッコよくて、安いのがこれだったんで(http://king-gear.com/articles/773)。
小西:78年頃までは、これ(補足図3のような1色ソール)しかなかったですよね。
金子:そうですよね。でも履き心地が明らかに悪いですね。
小西:びっくりする位、下がペロンペロンで。
金子:突き上げ激しいですよね、これ。こんなんでクライフとかやってたんだもんな。うわーー!すっげー!
vol.3へ続く。
金子:これは買ったな、マラドーナモデル。高いわりには全然駄目なスパイクでしたけどね。
小西:キングギアが始まった頃に、この復刻版が150足限定で発売されまして、私も何でこれを復刻するのかと思いましたけど、そちらも買っちゃいましたね。
金子:あははは(笑)。買ったんですか!他にも復刻スパイクを買いましたか?ディアドラとか?
小西:PUMAだけは買ってますね(実はその後アディダスもたくさん買ってしまった)。トレロの復刻版も買いました。外観だけは昔の雰囲気が出ていると思います。
補足図1 購入してしまった近年復刻されたプーマスパイク。マラドーナスーパー(左)、メノッティスター(中央)、トレロ(右)。最近スエード50周年モデルのスパイクとトレシューも購入済。
金子:(次はトレロを手に、)金色が衝撃的でしたよね。これは手が届かなかったよなー。
小西:僕も憧れがあって、見つける度に買い続けていまして…。
金子:高校時代はほぼベルトマイスターで通しましたね。食費を削って。
小西:素晴らしい!値段高かったですよね。学生には高額ですよね。
金子:定価が24,000円で、高田馬場にあった東京スポーツですと18,000円で買えたんですよね。
補足図2 ベルトマイスターのカタログ。詳細は後日、小西氏の記事にて公開予定。
小西:金子さん、靴のサイズは幾つですか?
金子:僕は25.5ですね。
小西:そうですか、ここにあるのは、どれも25.5以上の大きさがありますから、入りますよ。
金子:履いてみていいですか?
小西:もちろんです。多分どれも多少デカイと思いますけど。
金子:紐をほどいて履かないと。でも、ベルトマイスターが欲しいー。
そう言えば、PUMA JAPANには何をされに行ったんですか?
金子:あははは(笑)。買ったんですか!他にも復刻スパイクを買いましたか?ディアドラとか?
小西:PUMAだけは買ってますね(実はその後アディダスもたくさん買ってしまった)。トレロの復刻版も買いました。外観だけは昔の雰囲気が出ていると思います。
補足図1 購入してしまった近年復刻されたプーマスパイク。マラドーナスーパー(左)、メノッティスター(中央)、トレロ(右)。最近スエード50周年モデルのスパイクとトレシューも購入済。
金子:(次はトレロを手に、)金色が衝撃的でしたよね。これは手が届かなかったよなー。
小西:僕も憧れがあって、見つける度に買い続けていまして…。
金子:高校時代はほぼベルトマイスターで通しましたね。食費を削って。
小西:素晴らしい!値段高かったですよね。学生には高額ですよね。
金子:定価が24,000円で、高田馬場にあった東京スポーツですと18,000円で買えたんですよね。
補足図2 ベルトマイスターのカタログ。詳細は後日、小西氏の記事にて公開予定。
小西:金子さん、靴のサイズは幾つですか?
金子:僕は25.5ですね。
小西:そうですか、ここにあるのは、どれも25.5以上の大きさがありますから、入りますよ。
金子:履いてみていいですか?
小西:もちろんです。多分どれも多少デカイと思いますけど。
金子:紐をほどいて履かないと。でも、ベルトマイスターが欲しいー。
そう言えば、PUMA JAPANには何をされに行ったんですか?
小西:私の本をインスタグラムで広めていただいた方がPUMAにお勤めで、その方にお礼をしたくて会いに行ってきました。(対談前日にプーマジャパンを訪問し、貴重なスパイクやカタログなどを見ました。http://king-gear.com/articles/719)
金子:ところで、これらのスパイクは、全く未使用ですよね?
小西:そうですね。昔の西ドイツ製モデルは高額だったので、売れ残っていたんだと思います。
金子:(次にプロフェッショナルを手にして、)あー、やっぱりこれだよなー!ベルトマイスターっぽいなー!
小西:ベルトマイスターは、つま先が2枚革で昔は横幅が狭かったんですよね。
金子:そうでしたよね。これラインがビニールですね。
小西:基本的に、この時代の西ドイツ製モデルのラインは革なんですが、年代によってビニールの場合もあるみたいです。
金子:これがビニールで衝撃を受けたんですよ。くーっ!はー!
(小西:そんな細かいことをチェックされるとは!さすが、リアルタイムで愛用していた方だ!)
金子:本を読ませていただいて、世界を見渡しても、これほどPUMAのスパイク好きな人は小西さんしかいないと思いましたね。まさか「自分以外にも変態がいた」という喜びがありますね。
小西:(「マニアック」と「変態」は、私にとって褒め言葉なので、)ありがとうございます。PUMAの情報はアディダスに比べ少ないですから、世界中を探し回るしかないなと思っています。
金子:東南アジアはどうなんですか?80年代に東南アジアの選手が1番PUMAを履いていた印象があるんですよね。
小西:仰る通りで、実は本にも少し書いていますが、これ(プロフェッショナル)とかこれ(キング)はマレーシアから来た物です。
金子:買うと幾らくらいですか?
小西:ピンからキリですね。手放す人の思い入れがあるようだと高く売ってますし、元の定価よりずっと安い場合もあります。
金子:赤PUMA!うー、わー!
小西:これは、すぐにソールの色が黄色に変わってしまいましたからね。これまで実物を目にしたことがなかったので、見つけた時は感慨深くなりました。
金子:当時、2色のソールをやっているのに驚きましたが、今思うとなんてことないですね。
小西:確かにそうですね(笑)。当時のデザインとしては、なかなかだと思います。
金子:僕はゴールキーパーなので、前傾姿勢が良いと思ってSPAケンペスを買ったんですよね。
小西:オレンジですよね。
金子:はい。
補足図3 初期のSPAシリーズ。右はその後、名前がSPAケンペスになったと言われている。
小西:昔の日本のグランドは土で硬かったので、ゴールキーパーは取り替え式を使う方が結構いましたけど、フィールドの選手はポイントの突き上げで足が痛くなりますから固定式ばかりでしたね。
金子:アルミのポイントは重いですから。こんなに削れやすいプラスチックのポイントを使えなかったですけどね。1試合で削れることもありましたから。
これぞ、PUMAだ!いやー、まさかこんなに沢山見られるとは! (次に70年代後期のキングを手にし、)うわー!そして、黒ベロ、白1色ソールのキング。あの頃は白ベロがカッコよくて、安いのがこれだったんで(http://king-gear.com/articles/773)。
小西:78年頃までは、これ(補足図3のような1色ソール)しかなかったですよね。
金子:そうですよね。でも履き心地が明らかに悪いですね。
小西:びっくりする位、下がペロンペロンで。
金子:突き上げ激しいですよね、これ。こんなんでクライフとかやってたんだもんな。うわーー!すっげー!
vol.3へ続く。
提供写真/小西博昭
取材写真/佐久間秀実