SPIKE WARS －チャプター５　存在の耐えられない軽さプーマ エヴォスピード（後編）－

◆グラウンドに出てプーマ「エヴォスピードＳＬ　ＦＧ」を試し履き!!

マスター永井「あのさ、いいスパイクを表現する言葉として“素足のような感覚”とかって言うこと、
あるじゃない？」

マスター永井「今回ね、このエヴォスピードを履いてわかったことがある」

マスター永井「素足感覚のスパイクでボールを蹴るのは快感だけど、ホントに素足でボールを蹴ったら、マジで痛い（笑）」

マスター永井「そういうこと。暖かい季節だったらまだいいけど、冬の極寒の時期にこのスパイクで
ボールを思いっきり蹴ったら、マジで激痛が走ると思う（笑）。なので、よくわかりました。
素足感覚と素足は違います」

マスター永井「だろ？　アウトだよ、これ、踏まれたら。あのさ、プーマだけじゃなく、各メーカーが
こういうタイプのスパイクを発売してるっていうんなら、ちょっと前までならなかったタイプのケガが
増えてる可能性ってない？　それこそ、小指のところの骨折とか」

◆マスター永井「ものすごく陸上競技のスパイクっぽい」

マスター永井「ありえるよね。だって、常識的に考えれば、２００グラムとか３００グラムあった
ものが１００グラムになったっていうんだから、いままでのスパイクにはあった何かがそぎ落とされて
るのは間違いないわけでしょ。そう考えると、こういうスパイクって、サッカースパイクでありながら、
ものすごく陸上競技のスパイクっぽいんだよね」

マスター永井「そう！　走ることに特化した、蹴るということをあまり考えてないスパイク（笑）。
てか、以前ボルトがマンチェスター・ユナイテッドかどこかの練習に参加したってニュースがあったけど、その時履いたのは、きっとこのシリーズだと思う（笑）」

マスター永井「ま、つまらないケガが増えないのであれば、かまわないんだけどね。
ただ、俺は絶対に履かないな。蹴ったときの感覚がイヤだし、足を守ってくれてる感じがしないから」

マスター永井　「えーさっき２・５点をつけたキック・フィール、変更します」

マスター永井　「２点。ある意味、想像以上の履き心地でした。俺には無理です（笑）」

◆マスター永井「いざ走ってみるとちゃんとホールドしてくれた」

マスター永井「良かったところもあった。カカトのホールド感。さっきは“こんなんで大丈夫かよ”と
思ったんだけど、物凄くチャチに見えて、いざ走ってみるとちゃんとホールドしてくれてた。
ま、このあたりはさすがプーマって感じだよね。極限‥‥というか、限界を超える減量を課しながら、
守るべきところはギリギリ守ってた。俺としては、他にも守るところがあるんじゃないですか、とは思うんだけど」

マスター永井「だね。それは否定しない。俺がエヴォスピードを好きになれないのは、大前提として、
俺がスパイクに軽さというものをあんまり求めてないタイプだからっていうのがあるわけだからね。
走るっていうのは、もちろんサッカーにとって大事なことだけど、亡くなられたヨハン・クライフ大先生も言ってたじゃない、走りすぎるのは愚かな選手のやることだって（笑）」

マスター永井「言われたよ。なんでそんなに走るんだ？　そんなに走って、お前は方程式を解けるのかって（笑）。フリューゲルスではうまくいかなかったけど、あのサッカー観は衝撃だった」

マスター永井「わかる。てか、クライフも現役時代はプーマだったけど、こういうスパイク、どう思ってたんだろうね」

（以下次回へ／取材協力・東京ヴェルディ１９６９）