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SPIKE WARS -チャプター4 存在の耐えられない軽さ、プーマエヴォスピード(前編)-

メーカー横断履き比べ企画第2弾

Icon kaneko 金子 達仁 | 2016/07/15

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〔CHAPTER4・存在の耐えられない軽さ(前編)〕

【登場人物】
聞き手(編集部)
マスターナガイ(永井秀樹=東京ヴェルディ1969=)

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◆永井秀樹が長年愛用するプーマの評価やいかに?!


──続いてはマスター・ナガイにとってもっとも付き合いの深いメーカー、プーマにいきたいと
思います。エヴォスピードSL FG。定価2万3760円。重さは‥ちょっと衝撃的な軽さです。114・5グラム
マスター永井「実はね、プーマさんが持ってきてくれるスパイクの中で、俺、これだけは履かなかったのよ。 履けなかったというか」

──ほう、それはまたなぜでございましょう。
マスター永井「軽すぎる。で、当然のことながらアッパーの素材は極薄だから、どうしてもケガが怖くって。これ、踏まれたらたまらんぞ、きっと」

──ただ、これは他のメーカーの方に伺ったお話なのですが、いまや洋の東西を問わず、
プロフェッショナル・プレーヤーの相当数が、スパイクを選ぶ上で重視する条件として、
軽さをあげているそうでございます。
マスター永井「わかるようなわかんないような‥‥。だって、違いはせいぜい100グラムだよ。
それがそんなに重要だっていうんなら、長袖のユニフォームでのプレーは、半袖のユニフォームでプレー
するより疲れるってことになったりするぞ。そら大昔にあったような、ズッシリと重たいスパイクは俺も
イヤだけど、選手の側もちょっと神経質になりすぎじゃないのって気はする。ちなみにこれ、世界だと誰が履いてんの?」



──えーメジャーどころでいうと、アグエロとかファルカオ・ガルシアってとこですかね。

香川のチームメイト、マルコ・ロイスあたりもこのシリーズを愛用しているようです。
マスター永井 「じゃあ、こういうのが好きだっていうトッププレーヤー、ホントにいるわけだ。
てか、ケガは大丈夫なんだろうか。俺なんか、まずそこを気にしちゃうんだけど」

──彼らの側からすると、マスター・ナガイの方が神経質すぎるのかもしれません(笑)。
「あ、それはあるかもね」

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マスター永井「正直、この感触はどうやっても好きになれそうにない」


──ま、何はともあれ8つの項目チェックをお願いします。まずはフィット感。
マスター永井「案の定だけど、なんていうか、すごく薄っぺらい(笑)」

──マスター・ナガイ。それは誰だって観ればわかります。
マスター永井 「ゴメン、でも、ホントにそうなのよ。薄っぺらいとしか表現のしようがない。
正直、この感触はどうやっても好きになれそうにない。2・5点だな」

──カカトのホールド感は?
マスター永井 「これも2・5点。軽くするために、大切なものまでそぎ落としちゃったとしか思えない。ここまで簡素化というか、チャチにしちゃっていいもんなんだろうか」

──重さ。
マスター永井「5点。なんだったら、5点満点で10点をつけたっていい。それぐらい軽い。とにかく軽い。びっくりするほど軽い。さっき言ってた、スパイク選びの条件にまず軽さをあげる選手にとっては、究極の一足と言えるのかも。俺は絶対にイヤだけどね」

──ソールのグリップ。
マスター永井「うん、そこはさすがというか、ちゃんとしてるね。4点。足裏に伝わってくる感触も、割といい感じ」

──走りやすさ。
マスター永井「可もなく不可もなくってとこかな。3・5点。ああ、でも、軽ければ疲れにくいと心の底
から思ってる選手だったら、すごく走りやすいって思うのかもね。そこに価値を見いだしてない俺みたい
な選手からすると、普通としか言いようがないんだけど」

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◆付き合いのあるプーマだからこその愛のムチ。


──一番興味のある項目です。このスパイクのキック・フィールはどんなものなんでしょう。
マスター永井「‥‥こうやって足を通しただけで感じるところはあるんだけど、ま、感想をいうのは
グラウンドで実際にボールを蹴ってからにするね。いまの感じだと、点数は2・5点。
プーマさんには長年お世話になってきてるし、心情的にはおまけしたい部分もあるんだけど(笑)
どうしてもいい点数はつけられないなあ」

──デザインについてはいかがでしょう。
マスター永井「これはホメられる(笑)。いいよね、派手で。ヴェルディのユニフォームにも間違いなく
合うし。4・5つけてもいい」

──耐久性は?
マスター永井「案外いいのかもね。4点。ホントに薄いし軽いんだけど、磨耗に対しては割とタフなの
かもしれない。芝生での使用を想定して作られたトップエンドのモデルだと、どうしてもそのあたりが
弱点になってくるじゃない?その点、このスパイクは固い土のグラウンドで使っても、そこそこ大丈夫だと思う」

──全体的な印象はいかがでしょう。
マスター永井「ノー・コメントで(笑)」

(以下次回へ/取材協力・東京ヴェルディ1969)

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