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“プロのスカウトが注目する”現役高校生がスパイクへのこだわりを語りつくす!VOL8~神田凛星(静岡学園)、秋山裕紀(前橋育英)、大塚尋斗(矢板中央)~編

今回、筆者が回って来たフェスティバルは合計7つ。群馬プーマカップ、福岡県で開催されたサニックス杯国際ユースフェスティバル、中国新人大会、全国高校サッカー選抜大垣大会、Jグリーン堺プーマカップ、船橋招待サッカーフェスティバル、桐光学園高校サッカー場完成記念。後編の合計15人の姿、そして大事なパートナーであるスパイクやキーパーグローブへの想いをじっくりと聞いて来た。

Icon img 6776 安藤隆人 | 2018/05/23
神田凛星(静岡学園、3年、FW)

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身長は153cmとかなりの小柄だが、悪魔のようなテクニックで相手DFをたちまち混乱に陥れる『ザ・静学』の選手だ。

彼のドリブルはテンポが変幻自在で、ハイスピードで相手の懐に入り込んでぶち抜くドリブルもあれば、上半身と足下のフェイントを駆使して巧みに交わして行くドリブルもある。

「自分は身体が小さいので、いかに相手に触れられないか、いかに相手が嫌がる場所に入り込めるか。オフ・ザ・ボール、オン・ザ・ボール共に工夫をしながらドリブルをしています。

最近は上半身での重心移動で抜いたり、右足で右にワンステップ移動してから左に抜けるなど、それは結構抜けるので多用しています。もちろん逆も出来ます。僕は『並のドリブラー』にはなりたくないと思っています」。

一見、大きなハンデと捉えられがちな自分の体格をフルに生かして、ストロングポイントにすべく試行錯誤を重ねて来た成果が今、彼の大きな武器になっている。

「競り合いではなかなか勝てないので、足下の技術だけはずっと磨いて行きたいし、駆け引き、工夫で勝てないと自分は(ピッチ上で)存在出来なくなるとも思っています。

相手より先に動いて、先に仕掛ける。パスも出来るので、食いついて来たらドリブルとパスを織り交ぜて、常に相手の逆を取って行けば、大きい選手も捕まえ辛いと思います。

サイズがもっと大きかったら、こういうプレーは出来ていなかったと思いますから。プラスに捉えています」。

トップ下の位置から予測不能のプレーを見せ、並み居る大柄の選手を切り裂いて行く彼に是非注目をして欲しい。
 
※スパイクインタビューは、動画をご覧ください。
 
秋山裕紀(前橋育英、3年、MF)

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前橋育英の14番と言えば、これまで山口素弘、松田直樹、青木剛(現・サガン鳥栖)、青木拓矢(現・浦和レッズ)、鈴木徳真(現・筑波大)、そして昨年の田部井涼(現・法政大)と言った錚々たる名ボランチが付けて来たエースナンバーだ。

この14番を今年引き継いだ秋山は、これまでの名選手たちに負けないセンスを持つボランチだ。

視野が広く、かつ状況判断やポジショニングも的確で、常にボールホルダーの視野に入って中継地点として精度の高いプレーを繰り返す。ラストパスの精度も高く、相手のプレスを無力化するスルーパスは一見の価値有り。

そして、今年新たな武器として加わったのが『ロングシュート』だ。もともとプレースキックの精度には定評があったが、船橋招待において2試合連続弾となる『キックオフゴール』を叩き込んだのだ。

キックオフと共に下げられたボールに右足を強烈に振り抜いて、ゴールに突き刺した。

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「2試合ともGKが出ていたので、決められるかなと思って思い切り蹴りました。自分でも凄く良い軌道で決めることが出来ました。試合の間は常にGKの位置を見ていて、狙えるときは狙うようにしています。今年は自分の責任は大きいので、常にチームを助けられる選手になりたいです」。

名門の14番は『隙を見せたらどこからでも狙って来る選手』として、より相手の脅威となるべく、選手権王者のプレッシャーを力に変えて更なる成長を欲している。
 
※スパイクインタビューは、動画をご覧ください。
 
大塚尋斗(矢板中央、3年、FW)

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181cmの高さと屈強なフィジカル、強烈なシュートを誇る男は、俊敏な身のこなしと確かな足技を併せ持つハイペックなストライカーだ。

小学生時代からサッカーと並行してフットサルをやって来た彼は、小学校時代にバーモントカップに出場、中学時代は全日本フットサル選手権U-15に出場。

矢板中央に入るとサッカー1本でやってきたが、昨年は2年生中心としたチーム編成で全日本ユース(U-18)フットサル大会に出場すると、ピヴォとして大車輪の活躍をし、全6試合で大会新記録となる19ゴールを叩き出した。

この大塚の大暴れにより、チームは優勝を手にし、大塚も大会得点王&MVPを獲得した。フットサルで得た自信をサッカーに生かした大塚は、選手権でも前線のポストプレーヤーとして攻撃の起点となり、チームのベスト4進出に貢献。

今年も攻撃陣にタレントを有するチームにおいて、前線での貴重なポイントとなっている。フットサルの方ではフウガドールすみだの練習に参加し、フットサルのU-19日本代表にも選ばれた。

「フットサルも好きですが、やっぱりサッカーでもっと評価をされるように頑張らないといけない。今年は周りにスピードと突破力がある選手が沢山いるので、僕がもっとボールを収めることが出来ればもっと攻撃が活性化されるし、自分も収めてはたいた後に受け直してゴールに迫れると思います」。

フットサルの実力はさることながら、やはりサッカーの実力でもっと認められたい。スケールの大きなストライカーだけに、彼には大きなポテンシャルがある。

貪欲に自己研鑽を続ければ、大器になれるだけのものを持っているからこそ、「認められたい」という気持ちをエネルギーに変えて前進を続けて欲しい。将来が非常に楽しみな逸材だ。
 
※スパイクインタビューは、動画をご覧ください。




vol.9に続く。~西川潤(桐光学園)、谷内田哲平(帝京長岡)、塩浜遼(静岡学園)~編  http://king-gear.com/articles/785
 

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