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東京で世界の頂点へ。頭脳派の美人フェンサー、宮脇花綸が描く未来Vol.4

2020年の東京へ向け、強固な決意とともに日々厳しいトレーニングを積んでいる日本の女性アスリートたちを紹介していく企画の第一弾は、日本フェンシング界のニューヒロイン、宮脇花綸選手。Vol.1では、宮脇選手がフェンシングを始めたきっかけを、Vol.2では、フェンシングで上を目指すことを決意した経緯や、現在取り組んでいることを、Vol.3では、普段の生活や道具へのこだわりを訊いた。最後となるVol.4では、東京へ向けて彼女自身が描く道筋を聞いたところ、アスリートらしい凛とした表情で東京への決意を語ってくれた。

Icon segawa.taisuke1 瀬川 泰祐(せがわたいすけ) | 2018/03/06

宮脇花綸の現在と未来


昨年末に行われた全日本選手権ではベスト16で敗退となってしまいましたが、振り返ってみていかがですか?

負けた試合は、14-14から一本勝負にもつれた試合だったんですけど、勝ちたいという気持ちが相手の方が上回っていたので、完敗でした。「どんな試合でも勝ってやるんだ」という気持ちがまだまだ足りないなと感じましたし、改めて自分が未熟だったなと思った試合でした。


試合の入り方とか気持ちの作り方に問題があったのでしょうか?

いえ、試合への入りは割と良かったんですが、強い気持ちを長く持続させたり、競り合いの中で、力が出し切れなかったという感じです。


フェンシングは多いときは1日に7試合、8試合もやるんですよね?

海外の試合よりも、国内の試合はタイトなスケジュールになるので、体力的なところも要求されてくるんです。だから、今は週2−3回はフィジカルトレーニングを行なっています。ウェイトトレーニングしたり、走ったり。あとは、特に股関節の使い方を重視していますね。上手く力をためてそれを発揮するっていう動作が重要なので。


ベスト32の壁を乗り越えた先にあるもの


ジュニアからシニアに上がって、感じている壁もあると思いますが、東京に向けて、直近の目標と東京への決意を聞かせてください。

2020年東京での目標は、個人でも団体でも、金メダルを取りたいと思っています。自分自身の努力だけでどうにかできるところで言えば、個人戦でランキングをもっともっと上げていかないとならないですし、いいランキング順位で2020年を迎えて、いい感覚を持って試合に挑みたいです。また、団体戦では、いまはランキングが7位・8位という位置にいるんですけど、絶対的な強さを持つロシアが1位にいて、このままだと、準々決勝でロシアと当たってしまうので、直近の目標としては団体の順位を6位、5位と一つでも上げていきたいです。

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直近の大会でいうと、団体では4月にドイツで試合がありますので、そこでベスト4に入るという目標を設定しています。また、個人では3月にワールドカップのグランプリ大会があります。グランプリ大会は、通常のワールドカップの1.5倍のポイントを獲得できる重要な大会です。今シーズンは、ワールドカップで2回ベスト16に入るという目標をたてているんです。今までベスト32で止まってしまっているので、まずは一つその壁を乗り越えたいです。そこをクリアしたら、またその次というように一つづつ目標をクリアしていきたいですね。


宮脇選手が東京で頂点に立つ姿を楽しみにしています。

はい、頑張ります。今日はどうもありがとうございました。


写真:瀬川泰祐・佐藤主祥


<編集後記>
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練習時に見た彼女は、フェンシングという激しくも華麗な格闘技に人生を注ぐ、アスリートとしての顔つきだった。そして、インタビューに対応してくれた時の彼女は、質問に対して一つ一つ丁寧に答えてくれる、聡明で、かつ、まだあどけなさが残る20歳の普通の女子大生の顔つきだった。そのギャップの大きさに、きっと今後、男性ファンは急増するはずだ。試合の流れを読むことに長けると言われる頭脳派の美人フェンサーは、2020年、果たしてどこまで成長した姿で、東京の舞台に立つことができるのか。現在の自分と真摯に向き合いながら、一つ一つ階段を登る彼女の今後に期待したい。  

取材・文・写真:瀬川泰祐