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SPIKE WARS -エピソード4 メイド・イン・ジャパンの凄み-

メーカー横断履き比べ企画『スパイク・ウォーズ』

Icon kaneko 金子 達仁 | 2016/05/31

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Episode 4 ~メイド・イン・ジャパンの凄み~


【登場人物】
聞き手(編集部)
マスターナガイ(永井秀樹=東京ヴェルディ1969=)

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◆今回永井秀樹が試着するのはアシックス「DSライト X-FLY2」。










──マスター・ナガイ、次はどれで参りましょうか。
マスター永井 「アシックス、行ってみようかな」

──ちなみにマスター・ナガイはアシックスを履いたことは?
マスター永井 「プロになってからはない。でも、初めて高校選手権で優勝した時は、アシックス履いてた」

──もともとはプーマっ子だったわけですよね。
マスター永井 「そらそうでしょ。なんたってディエゴ・アルマンド・マラドーナに憧れて育った世代だから」

(パラパラパラと資料をチェック)
──あ、ホントだ。
マスター永井 「何が」

──いや、マスター・ナガイがホントにプーマっ子だったかを確認すべく、古いサッカー・マガジンをチェックしていたのですが、85年11月号の27ページに載ってました。
マスター永井 「だから何が」

──第16回全国中学校大会決勝。明野中対清水第五中。4-2で明野の勝利。坊主頭の清水五中の選手を軽やかなドリブルでかわす写真が掲載されております。スパイクは確かにプーマ。形状から推測するにオーソドックスなモデルですが、当時大流行したいわゆる“白ベロ”ではないようです。
「懐かしいねえ。ちなみにこの時の俺らの監督が、後にU-17の日本代表監督になる吉武先生ね。決勝戦のハーフタイム、向こうの学校は直立不動で監督の指示聞いてるんだけど、こっちは吉武先生が“座って少しでも疲れをとれ”って。今では当たり前のことだけど、あの当時、そういう考え方をしてる指導者ってほとんどいなかったからね」

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◆昔話に花が咲く。






──どうでもいいことですが、この試合、使用球は懐かしのピーコックです。キャプションによるとマスターは2ゴールをあげられたことになっております。それにしても、九州の中学校だというのに、マスターの髪形がちゃらいのには驚かされます。
マスター永井 「ちゃらいっていうな。せめてフツーといってくれ」

──でも絶対周囲はちゃらいと思ってたはずです。坊主にもしてない学校になんか死んでも負けてたまるかって思ってた学校、あったはずです。
マスター永井 「ま、そうかもね。でも、あの時代の九州で、生徒たち坊主を強制しなかったのが吉武先生ってすごいと思わない?

──確かに。と言いますかマスター・ナガイ、昔話はそれぐらいにして、このアシックスDSライトについてのご感想を。
(もそもそもそと試し履き)
マスター永井 「うわぁ~」

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◆履いた瞬間、驚きの声を上げた。









──いかがなさいましたか。
マスター永井 「さっき履いたアンダー・アーマーも良かったけど、これを履いてみると、やっぱりスパイク作りの経験って大事なんだなって思い知らされる。なんて言うんだろ、職人さんが心を込めて作ってくれた感がヒシヒシと伝わってくんのよ」

──あ!
マスター永井 「何?」

──も、申し訳ございません。やらかしてしまいました。マスター・ナガイは25・5センチがサイズだと伺い、全モデル同じサイズで揃えたつもりだったのですが、いまスパイクが入ってた箱をチェックしたところ、これ、26・5センチでした。
マスター永井 「え? でもこれ、割とちょうどいいよ。というか、25・5だったら、たぶん入らなかったと思う」

──そ、それはようございました。では、寸評の方を。
マスター永井 「実際にグラウンドでボールを蹴ってみないとわからないこともあると思うんだけど、まず感じるのは中敷きのクッション性の高さ。たぶん、90分走ったあとの疲労度はかなり軽減されるんじゃないかな」

──ほう。
マスター永井 「アッパーの厚み、柔らかさ、フィット感も抜群。ほら、ウチの高木大輔が“天然皮革のスパイクは履けない”って言ってたみたいに、スパイクってあくまで個人の好みって部分があるじゃない? でも、このスパイクに関しては、イヤっていう選手、いないんじゃないかな」

──大絶賛でございますね。
マスター永井 「アシックスの底力っていうか、メイド・イン・ジャパンの凄味というか、そういうものを痛感させられる。ちなみにこれ、代表では誰が履いてんの?」

──う‥‥
マスター永井 「何?」

──実は、直近の試合では誰も。ただ、乾選手や大迫選手はアシックスの契約選手なので、ま、そこはアンダー・アーマー同様、発起人Kがごり押しを。
マスター永井 「まあさ、選手は契約したメーカーのスパイクしか履けないから仕方がないけど、そういう縛りを取っ払ったら、かなりの選手がこれ選ぶと思う。正直、文句のつけようがない」

(以下次回へ・取材協力/東京ヴェルディ1969)

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マスター永井
「正直、文句のつけようがない」








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