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本田千尋の『フロム・トレーニングセンター』vol.4 。シャルケのヤングスター、マックス・マイヤーが履く『ナイキ・マジスタ2』

金子塾卒業生にして、現在はドイツに拠点を置くスポーツライター本田千尋のちょっと変化球な新企画。ブンデスリーガのスターはどんな音楽で気持ちを高め、どんなクルマで移動時間に鋭気を養い、そしてどんなスパイクで闘っているのか。トレーニング・センターからのダイレクト・レポートをお伝えします。

Icon img honda600 本田 千尋 | 2016/12/23
 スパイク画像/清水知良


鋭いまなざしに、トンがったヘア・スタイル。炭鉱の街シャルケが誇る“ヤング・スター”。マックス・マイヤーはシャルケの下部組織で育ち、17歳でプロ・デビュー。すぐにふてぶてしいプレーで主力に定着した。   

試合前はフェルティンス・アレーナに響く「グリュック・アウフ」を聴いて集中する。「グリュック・アウフ」は、危険な坑内に飛び込む鉱夫が無事に帰還することを願う歌だ。マックス・マイヤーも、ブンデスリーガだけでなくドイツカップ、さらにはヨーロッパリーグ、チャンピオンズリーグと多くの戦地をくぐり抜けてきた。  

そんな21歳に最大の危機が訪れたのは、16年の1月。オフで訪れたフロリダでのことだ。小旅行にとレンタルしたクルマは「ランボルギーニ・アヴェンタドールLP750-4 スーパーヴェローチェ」。  

2.8秒の0-100km/h加速と350km/hを超えるトップスピードは、やんちゃ心をくすぐったに違いない。しかし突然の雨に降られ、ガードレールに衝突してしまう。幸いにも大事には至らず、2000ユーロの損害自己負担金を支払うだけで済んだ。

 
フロリダの危機から生還したマイヤーは、リオ五輪決勝でブラジルと対峙する。ネイマールに直接FKを決められても、虹色のナイキ「マジスタⅡ」を履いて反抗。同点弾を叩き込む。コーナーフラッグに向かって加速するマイヤー。まるでトップスピードに乗るランボルギーニのようだ。

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