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星子海士のグローブナビVol.2「ついに実現。メーカー界の“クラシコ”プーマ対アディダス」

どのグローブが一番使いやすいのか? GKなら誰もが抱える疑問を解決するため、キングギア編集部はあらゆるグローブを集めた。判定人はGK王国・熊本の大津高校出身で、イタリアでプロを目指す22歳の青年・星子海士。第2回は老舗メーカー・ロイシュ、プーマ、アディダスの評価をお届けする。

Icon kaneko 金子 達仁 | 2016/12/21
    Vol.1はこちら  

――かつてはウールと並ぶGKグローブ2大メーカーの一つだったロイッシュの『リパルスプロG2ネガティブカット』はいかがでしたか?
 
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星子:これは良かったです。グリップ力はしっかりしていましたし、フィット感もある。個人的な好みからすると、もう少しパーム(注:キャッチする面)が薄い方がいいのですが、他のメーカーに比べて欠点が少ないグローブだなとは思いました。ただ、日本の試合で使おうとは思いませんけど。
 
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――え、それはなんで?  

星子:このグローブを使っていたのはごく短時間だったのに、手が蒸れる感じがあったんですよ。他社のモデルは指の間をメッシュにしたりして、通気性をよくしているんですけど、このモデルには蒸れた空気の逃げ場がない。ヨーロッパならともかく、湿度の高い日本で使うのはちょっと…。
 
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――ははぁ、それは日本とイタリア、2つの国でプレーした星子君ならではのインプレッションですね。指の蒸れとは、考えもしませんでした。  

星子:あぁ、指先が蒸れてきたなあ…なんてところに意識が行っちゃったら、集中が切れてるってことですからね。  

発起人K:そうそう。よく、PK戦になると、フィールドプレーヤーは“失敗が許されないから緊張する”って言うけど、こらこら、GKは常日頃から失敗が許されない状況でプレーしてますけど何か?って言いたいよね(笑)。しょせんは11分の1のマイノリティだから、わかってはもらえないだろうし、わかってもらおうとも思わないけど、GKってのはフィールドプレーヤーより、はるかにデリケートな生き物なんです(笑)
 

星子:です!(笑)  

――キングギアの名物企画、永井秀樹さんの『スパイク・ウォーズ』では、コパ・ムンディアル対パラメヒコの“頂上決戦”が行われたようですが、ならばこちらも行ってみましょうか。スポーツメーカー界のクラシコ。伝統の一戦。アディダス対プーマ。ちなみに、星子君は長くプーマ・ユーザーだったんですよね?  

星子:はい。イタリアに行っていた時も、用具を提供して頂いていました。プーマに足を向けては寝られません(笑)  

――では、足を向けて寝ていただきましょう(笑)。『エヴォパワー・グリップ1・3 RC』について。
 
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星子:言わなくちゃダメですか?(笑)  

発起人K:なんだったら、俺が代弁しようか?  

星子:あ、お願いします(笑)  

発起人K:では、俺が星子君になりきったつもりで申し上げます。人指し指のところの作りが気に入りません。昔からそうです。直っていません。
 
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――あれ、Kさんって、昔からプーマのグローブ使ってたんですか?  

発起人K:いや、まったく。  

――じゃ、なんで…って聞いてはいけないわけですね(笑)。人指し指のところの作りが、どう気に入らないんでしょう。
 
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発起人K
:ねじれるんだって。ねじれて、パーム(注:キャッチする面)じゃない部分でキャッチするようになっちゃうんだって。元プーマ・ユーザーのある青年は、それがいやでカスタマイズして使ってたんだって。  

――ある青年ですか…(笑)。しかしその青年に限らず、そうした不満をメーカー・サイドはあちこちから聞いているはずですよね。なんで改善されてないんだろう。  

発起人K:ある青年もそれが不思議だって言ってた。4~5年前から言い続けているのに、まるで変わってないって。  

――では、アディダスの『エース・トランス・プロ』は?
 
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星子
:今回、一番ビックリさせられました。  

――ガッカリ、ではなく、ビックリ?  

星子:はい。ぼくが子どものころ、アディダスのGKグローブって、申し訳ないけどだいぶダメな感じだったんで、今回もあんまりというか、ほとんど期待してなかったんです。どうせ総合スポーツメーカーだから、一応グローブも出しておきます的なノリなんだろうなって。  

――それが違った?  

星子:正直、ノイヤーやカシージャスがアディダスのグローブを使う理由がわかりました。納得しまくっちゃいました(笑)  

――なぜ?  

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星子
:ウールにしろ、他のメーカーにしろ、GKの声が反映されてないなって感じさせられるグローブが多かった中で、アディダスだけは、明らかにいろんな声を拾っていったんだなっていうのがわかるんです。だからこのグローブだけは、ビックリするぐらい進化している印象を受けます。  

発起人K:ちょっとはめさせてもらうね。…あ、ホントだ。着用感がまったく違う。他のメーカーのものは、俺が昔使っていたのと同じで、グローブに手を合わせる感じなんだけど、これはグローブが手に合わせてくれている感じ。一体感がまるで違う。
 
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星子
:ですよね? 親指が遊んだりしない。人指し指の部分がねじれたりもしない。手首のホールド感はバッチリで、グリップ力も申し分ない。フィードする際に妨げになりそうなところもまったくない。今回試させてもらったGKグローブの中では、文句なしにナンバーワンでした。…GKグローブの中では。  

――GKグローブの中では、ですか。  

発起人K:ということは、我々の狙いは見事的中したってことなのかな(笑)  

星子:はい。衝撃的でした。でも、それってぼくだけじゃなかったですもんね。ちょっと使ってみる? って声をかけた法政二高のGKの子も『なんですか、これ』って、思わず絶句していましたもんね。

(Vol.3へ続く)
12月22日公開予定。  

※インプレッションは個人の感想です。


取材協力/法政大学第二高等学校
商品提供/フタバスポーツ

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