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前田遼一、コパ・ムンディアルを大いに語るVol.2「長く使える、良いものが欲しいんです」

アディダスの名品『コパ・ムンディアル』。発売から34年のロングセラーであり、古き良きスパイクの香りを醸す一品だ。現役Jリーガーで希少種となった「コパムン愛用者」が、FC東京の前田遼一選手。インタビュー2回目では、前田選手の愛車遍歴など、モノ選びのポイントに迫っていく。

Icon 16425464 1247663551989333 473340682 n 鈴木 智之 | 2016/10/20
<インタビュー第1回はこちら>   

――子供時代、初めて履いたスパイクを覚えていますか?  

前田最初に買ったのは、アディダスの3,000円位のスパイクだったと思います。スポーツショップのカゴに入っていて、安売りしているような。親と一緒に買いに行って、安いからこれにしようと。小学3年生のときでした。  

――その後、サッカーで有名な暁星中学に進みますが、そのときに履いていたスパイクは?  

前田先輩がプーマのパラメヒコを履いていて、こんなスパイクがあるんだ! と憧れて。革がすごく柔らかくて、値段を聞いたら1万6千円だと。高額だったので、親になかなか言い出せなかったのですが、なんとか頼み込んで買ってもらいました。以降は、ソールを交換したりして、ずっと履いていました。
   

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――ソールを交換して履き続けるとは、珍しいですね。ポイントが削れていってしまうんですか?  

前田そうなんです。中学時代は土のグラウンドで試合をすることが多かったので、サッカー部のみんながよく行っていたスポーツショップの方にお願いをして、3、4千円でソールを交換してもらっていました。
 

――中学時代はすぐに足が大きくなるので、ご両親に「新しいのを買って欲しい」と、言いづらくはなかったですか?  

前田ソールを交換してまで、大事に履いていたので、サイズが合わなくなってきたら嫌な顔をせずに買ってくれていたと思います。試合の後は、毎回自分で磨いていましたし。  

――どのようにして磨いていたのですか?  

前田まずは汚れを落として乾かしてから、靴墨を塗って、時間が経ってから磨いていました。パラメヒコは良い革を使っているので、自然と自分で磨くようになったんですよね。それまで、人工皮革のスパイクを履いたときはやらなかったのですが(笑)    

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――コパ・ムンディアルとパラメヒコはメーカーの違いこそあれ、上位モデルとして似たような位置づけです。両方とも古き良きスパイクという趣があって、クラシックなスタイルです。前田選手はスパイク以外のもの、例えば車や時計などを選ぶときは、どういう視点で選んでいますか?  

前田車の場合、1度買うと長く乗るタイプです。それほど、頻繁には買い替えません。最初に買った車も10万キロぐらい乗りましたし、いまの車も5万キロは越えています。そう考えると、物持ちが良いのかもしれないですね。これだと思ったものを長く使うというか、新しいものが出たからといって、すぐに買い替えたいとは思いません。だからこそ、長く使える良いものが欲しいんですよね。  

――車や時計って、選ぶ人のキャラクターが出ますよね。ちなみに愛車は何色ですか?  

前田黒です。そう考えると、黒が好きなのかもしれません。コパ・ムンディアルも黒ですから。いま乗っている車も、その前の車も黒です(笑)

<Vol.3に続く>
 

<プロフィール> 前田遼一(まえだ・りょういち)1981年生まれ。暁星中学-暁星高校-ジュビロ磐田-FC東京。2009年、2010年と2年連続でJ1リーグ得点王&ベストイレブンを獲得。日本代表33試合出場10得点。J1リーグ通算151点(2016年9月時点)

インタビュー文・写真 鈴木智之&編集部、写真編集 榎本貴浩

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