%e6%9d%91%e7%94%b0%e3%81%95%e3%82%93%e8%a1%a8%e7%b4%99

「HEROs AWARD 2018 潜入取材!」 Vol.3 村田諒太選手インタビュー ~ギアはあえてこだわらないようにしている~

HEROs AWARD2018にアンバサダーとして出席されていた村田諒太選手にアンバサダーになったきっかけや、ボクシングをやるうえでこだわっているギアについての話を伺った。

Icon 16466945 810048175800857 1247399717 n 菊池 康平 | 2019/01/28
――まずはHEROsアンバサダーになられたきっかけを教えてください。

村田
 
普段からたまにではありますが、個人的に訪問する児童福祉施設があります。そういう活動に携わっているなかで、日本財団さんから話を頂きました。同じ施設にずっと訪問していますが、ひっそりと行っています。   

――なぜひっそりと行かれてるのですか?   

村田 
それを自分のプロモーション活動にしたくないですし、ならないようにと思っているからです。ただ輪が広がるのであれば、ある程度やっていることを言ってもいいとは思いながらも心情としては複雑なんです。   

Thumb 422a1787

――後輩などが影響を受けて同様な活動をして輪が広がれば良いですよね。   

村田 
そうですね。毎回、子供たちに会いに行って、何かを与えているようで本当は与えてもらってるんですよ。すごく学ばせてもらうことが多くて。

僕はヴィクトール・フランクルという心理学者が好きで、この言葉を福祉施設に行ったときに思い出すんです。「人間は環境に屈するほど脆弱な生き物ではない」という言葉です。   

どんな苦しい状況でも人生に対して常にYESと言い続けて生きていくことが大事だという考え方です。   

福祉施設にいる子供たちは、親に捨てられたりと逆境じゃないですか。ある女の子の話ですが、その子は今は化粧品会社で働いていて僕が訪問した時に偶然手伝いに来ていたんです。   

話してみると「私はここの卒園生なんです。小さい頃に両親が自殺で亡くなってしまってここの施設に入りましたが、その運命に感謝しています。親とはいつか別れますが、それが私の場合はただ早かっただけなんです。そのお陰でこの施設に入って、色んなことを学んで仲間がいて今があります。だから私は神様には感謝しているんです。」 

まさに人生に屈しなかった、逆境に屈しなかったその話を聞いて、自分自身も見習わないといけないなと感じさせられました。そうやって力をもらうことが多いんです。

結果、僕の行動は慈善活動にはなってるのかもしれませんが、本当にパワーをもらってます。   

――村田さんのお父さんは昔から施設で働かれてるんですよね?   

村田 
そうなんですよ。根底には父の影響もあるかもしれませんね。

Thumb img 2598
©FUKUDA NAOKI
   
――次にギアの話を聞かせて頂きますね。ロードワークなどで、走ることが多いと思いますので、ランニングシューズへのこだわりを教えてください。   

村田 
都内ではコンクリートを走りますので、足へのダメージが気になるんです。ボクシングは減量もあるスポーツですので、結構長い距離を走るんですよ。足へのダメージが少なく自分に合うシューズを履いています。   

――グローブやマウスピースなどへのこだわりはありますか?   

村田 
やりやすいといいますか、フィーリングが合うものを選んでますが、こうじゃないといけないと思うことはあまりないですね。

『その条件が揃わなったら試合が出来ないとか、不安だ』というのは僕は一流じゃないと思います。   

どんな条件でもやれるという姿勢が大事ですよね。仮に相手から『こっちのグローブに変えろ』となった時に、相手の土俵で戦っても勝てなきゃいけないと思いますので、あえてこだわらないようにしています。こだわりってマイナス要素になりうると思うんです。   

――なるほど。そこにすがってしまったらダメだということですね。話は変わりますが、2018年はどんな年でした?   

村田 負けましたけどいい年でした。エンダム(アッサン・エンダム)との試合の時は、負けたようで負けてないような試合でしたが、今年のロブ・ブラントとの試合は初めて負けたような感じがしましたので。   

この負けを肯定する為にこの後、勝たないといけないと思います。これからの成績が良ければ、過去も肯定できるようになると思いますし、糧としなければいけないなと感じています。   

Thumb img 2600
©FUKUDA NAOKI

――それを踏まえて2019年の目標を教えてください。 

村田 
一戦一戦、組まれた試合を頑張っていく。それしか行く道はないです。それだけですね。   

(了)